1998年、VIDEO SYSTEM、アーケード
いささか古いながら、2002年現在でも未だに高い人気とインカムを誇る作品です。
クイズゲームとしては異例のロングヒットを続ける本作です。
ただ、こうして犬福と戯れているうちに、この「すくすく犬福」の真の価値が見えてくることとなります。
ここでは自分とこのモードの関係を時系列に沿って述べます。
初めのうちはよいのですが、問題をある程度覚えて先に進めるようになってくると支障が生じるのです。
犬福かわいいにょー。
現在でも設置店は多いのではないでしょうか。
きっとあなたの身近にも、ほら犬福が。
初めに
その理由を幾つか挙げてみましょう。
これらの要素が相まって、はじめての人でも楽しく遊べるわけです。
デートで彼女と、野郎同士大人数で、一人でゆるりと。
いかなる機会であっても、人を楽しませてくれることは間違いありません。
この作品に対して真剣に取り組もうとするゲーマーに対する深い配慮が感じられるのですね。
私は半年以上犬福をやり続けておりますが、この作品の奥の深さには感嘆させられるばかりです。
この経験をふまえて、私の感じた「すくすく犬福」の長所、短所を本論では明らかにしてゆきたいと思います。
本作には「犬福育てモード」、「100問地獄モード」というふたつの遊び方が存在します。
(これらふたつのモードは、コイン投入後のゲーム開始時に選択します)
そこで本論では、「育てモード」、「100問モード」の順で論述を進めたいと思います。
なお、私が費やした労力のほとんどは「100問モード」に対するものです。
そこで記述についても「100問モード」に力を入れたいと考えております。
「育てモード」はかなりプレイなさったという方は、本論を「100問モード」の紹介としてお読みください。
犬福育てモード
1月から12月までの1年間、犬福を育てて大人にすることが目的です。
「足なんてただの飾り」に始まる奇妙奇天烈なストーリーの中、一体あなたの犬福はどのような大人になるのでしょうか。
与える餌・クイズやミニゲームの成績によって犬福のパラメーターは変化してゆきます。
それによって犬福は100種類程度の成長形態のいずれかに変化してゆきます。
ゲーム中の分岐は多いし、最終形態はやけくそに多いし。
何度も楽しめる仕組みですね。
テンポのよい音楽と相まって、犬福という価値観が貫徹された世界構成は見事です。
基本はノルマ達成型のクイズが主体で、誤答やミニゲームの失敗によってライフがなくなるとゲームオーバーです。
ノルマはゲージによってあらわされ、クイズに素早く解答するほどノルマを多く消化できます。
解答の素早さによって、早押しボーナスは3000点から100点の幅があります。
最高の早押しボーナス3000点時であっても、消化できるノルマは余裕を持って解答した1000〜700点時の2割り増し程度にすぎません。
ノルマゲージが6本の場合に、3000点で解答を続けて5問でノルマを達成できる程度です。
早押しによるメリットはスコア以外にほとんどないといってよく、さほど不合理なシステムということはないでしょう。
ただ、タイムアップの直前に解答した場合にはノルマが減少せず、永久パターンが可能だそうです。
もちろんあくまで理論上であってねらうのは不可能ですね、つまらないし。
しかしながら、アルカディア・ゲーメスト誌上ではこの永久パターンのために集計がうち切られております。
クリアまでは約120問のクイズをこなし、所要時間は1時間10分程度。
はじめての人ならばクリアまでに10〜15コイン程度とと思われます。
出題内容に、漢字の読み、英語、簡単な計算、数字の並び替え、同じ数字を当てる、などの初見の方でも確実に正解可能なものがそれなりに多く含まれています。
従って、問題は容易なものが多いと感じられるでしょう。
また、アニメ・漫画・芸能問題が多数含まれることも他のクイズゲームと同様です。
終局的な難度は他のクイズゲームと大差ないと思われますが、単位時間あたりの出題数が少ないので相対的にクイズは易しめです。
お店の側の設定によって、難度は大きく異なります。
ノーマル設定は、ライフゲージ4、1000点解答でノルマ1本消化です。
ひどい設定ですと、ライフ3という場合もあります。(逆に5の場合もあるでしょう)
優しい設定ならば、ミスをしてもライフは60%程度しか減少せず、ノルマも1000点解答で2本消化できるようです。
設定による問題そのもの難度の変更はないと予想されます。
ゲームの進行状況に応じて、出題される問題が限定されている点が最大の長所でしょう。
具体的に説明しましょう。
収録されている問題は、序盤用、中盤用、終盤用と複数の出題データーベースに分類されています。
たとえば、ゲームの序盤(1〜4月?、具体的区分は不明)においては、序盤用の問題しか出題されないわけです。
出題さえる問題が少ないので、問題を覚えることが容易。
かつ問題を覚えると確実に先に進めるようになるわけです。
こうして新しい地点に到達すれば、またこの過程を繰り返します。
目的意識が持ちやすく、確実に努力は報われるわけです。
ワンコインクリアという遠大な目標のみを提示されるよりは、目前の課題を一つずつ片づけてゆくというより具体的な作業を繰り返してゆく方がやる気が起こりますよね。
くり返しのプレイによって上達に導くよう、うまくプレーヤーを動機付けしているわけです。
序盤にライフ回復が集中的に配置されている点も、はじめての人に対する配慮として素晴らしいですね。
それと、ちょっと慣れるとワンコインで30分程度は遊べてしまうところも有り難いですね。
出題システム、問題の種類については、「100問モード」の箇所で詳しく述べます。
ほとんど成功が期待できず、為すすべもなくライフを一個失ってしまうのが痛いところです。
このイベントは強制的に3回発生するのですが、ライフの回復は実質3回。
つまりライフ回復はこの「虐待女の恐怖」で失うライフを補填してくれるのみなので、実質このゲームは回復無しです。
問題はそこまで難しいわけではないのですが、1時間以上もプレイすると集中力も欠けてきてケアレスミスがでてしまうのですよね。
ワンコインクリアがなかなか難しいです。
もっとも、1時間以上も遊んでたったのワンコインではお店に悪いですし、そのぶんコインをお店と犬福に貢献していると思えばよいのですよね。
ワンコインクリアしなくてはいけないわけではないですし。
100問モードをクリアできる腕があれば、育てモードは2コインで安定するので安いものです。
あの難しさは、製作された方々の意図するところなのだろうと思うこのごろです。
「ちから」のパラメーターが上昇する場合が限定されていて、「ちから」の高さに依存する「へいたい福」・「空手福」・「わんぱく福」に変化することが難しいです。
他の能力値である「かしこさ」は問題の正答率によって上昇します。
「すばやさ」は早押しによって上昇させることができます。
問題をある程度覚えてしまうと、クイズはほぼ間違えません。
だから、すばやさ・かしこさばかりが突出して上昇してしまうのです。
もちろんこれは、かなり問題を覚えている少数の人間の場合のみの欠点です。
こちらのモードには100問モードで出題されない問題があります。
ところが、これらは出現頻度が低く、出題されるのもゲームの後半。
問題を覚えたくとも、そこに到達するまでに時間がかかりすぎるのです。
なかなか、気軽に遊べませんね。
せっかくの育成モードのオリジナル要素なのですが、なかなか生かし切れておりません。
もちろんプレイ時間が長いことは長所なんです。
ただ、時間のない場合だって多いですし、いくら好きでも100回見たら飽きが来ると。
ここで記されるのはごく個人的なものであって、実際にプレイしたことのない方には理解いただけないものも多いかと思われます。
その場合、読み飛ばして「100問モード」にお進みください。
ワンコインクリアは一回のみ。
「No、52 セーラー福」、「学生って、お勉強が大変なんだにょ。」
100問地獄モード
少々長くなりますが、それがこのモードの真価を導くための論理過程であるのです。
自分が最も主張したいのは100問モードの真価の部分です。
純粋にクイズに解答する事のみを内容とします。
ストーリー等、一切ありません。
はじめてこのモードをプレイしたとき、10問程度だったでしょうか。
プレイ時間は1分程度。
かたや「育てモード」ならば、かわいい犬福はでてくるし、ワンコインで20分は遊べます。
自分の関心は自然と「育てモード」に向かい、「100問モード」に関心は払いませんでした。
これが私の「100問モード」との出会いです。
100問の問題に解答するのみです。
ライフは3、つまり2ミスしか許されません。
当然に、ライフ回復は無し。
100問クリアにかかる時間は長くて15分程度でしょう。
「育てモード」よりも出題範囲はかなり広く、クイズそのものの難度は高いです。
「育てモード」がある程度上達してきてからのことです。
少しずつ、欠点が見えてきました。
先に進めるようになるためには、少しでも多くの問題を覚えてゆくことが必要です。
このゲームの出題システムでは、新しい問題を覚えるためにはある程度先までストーリーを進めなくてはなりません。
ところが展開の遅いこのゲーム、そこにつくまでにかなりの時間が必要になってっくるのです。
いくら好きなキャラクターでも、同じデモを何十回も見せられると飽きが来るというものでしょう。
しかも目的地点に到達するまでに、ミニゲームで体力を浪費させられるのです。
この状態にはかなり嫌気がさしてきました。
そこで私は、再び100問モードに目を付けたのです。
こちらでなら短時間に多くの問題を学ぶことができるのではないか、と考えたのでした。
当時の私は「育てモード」ワンコインで6〜8月といった進行状況でした。
この程度の知識があれば、「100問モード」は40問程度まで進むことができます。
それなりに遊べるので、こっちをやるかという気にもなるのです。
やはり100問モードにも難点はあります。
厳しすぎるともうしましょうか、ワンコインでたったのライフ3です。
それでもやはり、面白いのです。
ノートとペンを片手に、筐体に向かいます。
分からない問題は、必至にメモを取ってゆきます。
復習をかねて、このメモをジャンル毎に分類し、ウェブ上にアップデートしてゆきます。
(こちらです、我ながらよくやったものと思います。)
高い難度と短時間の集中が、麻薬的な中毒性をもって私を虜にしました。
このころの私は、毎日ゲームセンターに行っていました。
お金の問題ではないのですよね。
このように、真剣にワンコインクリア目指して努力している過程が一番楽しいかも知れません。
いつの間にか、私にとっての犬福は「100問モード」になっておりました。
まず、ここでの議論の前提として「100問モード」の出題の仕組みの解説です。
「1〜30」、「31〜70」、「71〜90」、「91〜100」というそれぞれの問題数毎に、出題される問題群が異なります。
これは聞いた話なのですが、自分の体験上も間違いないといってよいでしょう。
新しい区画に到達すると、全く問題が分からなくなるからです。
まず「1〜30」、ついで「31〜70」問目が完全に作業になってしまうのです。
90問目に到達するためには、序盤で間違っている余裕はありません。
このころには、中盤までの問題で見たことのないものはほとんどない段階に達しています。
最初の70問をこなすために必要な10分程度は、ミスをしないことだけが目的です。
全く何の新鮮みのない時間で、かなりの苦痛でした。
1回10数分しかからないのに、2回もやるとつかれてしまうのです。
これに対する自分の解決法は、隣のゲームを見るというものでした。
渋谷会館の「魔界村」「テトリス」「D&D」には大変なお世話になったものです。
魔界村など、やったこともないのに稼ぎ方や攻略パターンを多く学ぶこととなりました。
犬福が、一番辛い時期だったのはこのころです。
このようにしながらも、自分は何とかワンコインクリアを達成することができました。
犬福はバッテリーバックアップでクリアすると名前が筐体に残るのです。
自分はスコアネーム「INU」(犬福の最初の字)を刻むべく、多数の犬福筐体に向かいました。
犬福が設置されていると聞いたお店に、足をのばすのです。
これはこれで面白いのです。
ただ、91問以降が難しすぎるのです。
90問目までノーミスで、91問から3連続誤答でゲームオーバーもめずらしくはありませんでした。
結局91問以降は運頼みなので、90問目までのノーミスは必須です。
するとますます、90問目まではケアレスミスを避けるためにゆっくり慎重に解答することが必要とされました。
中弛みはまだまだ続いていたのです。
(本論では言及しませんが、100問モードのクイズの攻略過程はこちらに詳しいです。)
90問以降の難しさは、これらの理由によるものです。
なにしろ、4年間犬福をプレイなさる方でも見たことのない問題が未だに存在するそうです。
しかしながらこの難しさがまた、小気味よい緊張と挑戦意欲を常に喚起してくれるのです。
以上でした。
これを機に、少しでも多くの方に犬福が愛されることを願いつつ。